ずっと以前に見た映画がふと思い出されました
おそいひとosoihito.jp/top/index.html
字幕が欲しいくらい聞き取れず、白黒の暗い画面で見えづらく、あらすじは簡素

言ってしまいますね
主役は重度の障害者で、体の動きだけでなく、会話も不自由であいうえお…のボタンを押すと音声が出る機械で会話をします
役者さんは本名で出演していて、障害も演技ではなくて、実際に障害者です
車椅子で手先も不自由の様子だったし、痛みもあるらしく、生活は完全に要介護だから、五体不満足の障害のようでした
住田さんといいます
住田さんの元に女子大生が介護にやって来て、彼女に恋？をしたんだか性欲を感じたんだか？それが何故だか介護者の男性を殺してしまう
あと関係ない人も殺して、警察につかまっておしまい
謎も推理も何も無くただそれだけ
住田さんが山のようにエロビデオを持ってたのも印象に残ってるな

そんなだから感想もなくて忘れていたのに、急に思い出して急に分かったような

お涙番組のせいで、病人や障害者は崇高な精神の持ち主に見えてしまう
そんなはずないと分かっていても、ついそう見える
崇高までいかなくても頑張り屋だったり優しかったり悟ってたりとか
でも性格が悪くても、病気や障害にかかりますよね
悪態つく病人は｢病気の苦しさから悪態つく可哀想な人｣ではなくて、健康でも悪態つく人かもしれないよね
性欲も勿論あって、むしろ溜まってるかもしれません
お涙番組は苦手で見ないけど、見てなくてもこんなに思考が影響されてる

妬みや卑屈や汚い感情まで美談の一部にするのって悪影響ですよね
｢憎んだ時期もありました…(キラッ)｣みたいな
例えばこんな私でも病気にかかれば闘病する佳壇さんにしてしまうでしょ
生きてるだけなのに
弱音を吐けば→それだけ辛い病気、しかし佳壇さんは向き合って耐えている！
気まぐれに｢何かしたい｣ともらせば→苦しみにめげず一生懸命の願いと希望！

病人や障害者だからって、頑張り屋や善人とは限らない
怠け者や意地悪もいる
なんだか難しい…
性格の悪い人に親切にしたくないし、野たれ死ねと思う
だけど病人や障害者が、支援を得るために善人でいなければいけないとしたら、それも気の毒だ
善人じゃなくても普通でいいんだけど、悪人じゃなければいいんだけど…
でも悪くなったらだめというのも気の毒だ
善いとこも悪いとこもゼロの普通の人なんていない
でもやっぱ悪人の世話は少しもしたくないし勝手に死ねとも思いますよ…

こういう葛藤と向き合うんだろうね、介護なんかは…
達者だった頃の嫌な姿を思い出しながら、早く死ねと思いながら、いつ死ぬとも知れずに尽くすなんて…